おもしろい英語表現

日本人には思いつきにくい英語の慣用表現を取り上げていきます。少しでも覚えて、使って、より生き生きとした英語の使い手になりましょう!

up to scratch 引っかき傷まで→一定のレベルに達して

意味:求められているスタンダードに達している

 

<例>

I’m sorry, but her French is not up to scratch.

(申し訳ないが、彼女のフランス語力は十分ではない。)

 

この表現の起源についてはいくつかの説がありますが、最もよく引用されるのは、昔のボクシングのリングに引かれた線のことです。

 

このボクシングの説でも何通りかあるようですが、最も有名なのは、ボクシングの試合開始にあたり両者が顔を向かい合わせるために引かれた線のことです。

 

試合のためにリング上に立つには一定レベルの実力を身に付けなければいけないわけで、その意味で、リングに引かれた線は「あるスタンダードに達した」ことのたとえとしての意味を成します。

 

ほかにも、昔のボクシングのルールでは、相手を打ちのめした選手はリング上に引かれた線まで歩いてゆき、それを踏み越えると初めて勝利となった。つまり「勝つことができるレベルに達した」ことのたとえとして、この「scratchまで」という言葉が使われるようになった、という説があります。