おもしろい英語表現

日本人には思いつきにくい英語の慣用表現を取り上げていきます。少しでも覚えて、使って、より生き生きとした英語の使い手になりましょう!

「historic」と「historical」は別の意味?どう使い分ける?

 

 

「historic」と「historical」は、数百年前まで同じ意味で使われていたといわれています。

 

しかし現在この二つの言葉はそれぞれ別の意味を持っており、どちらかがもう一方の代わりになるということはありません。

 

しかし文字通り両方とも「history」という言葉から来ており、つづりも似ていることからネイティヴではない私たちにとっては混同しがちな言葉ですし、たとえネイティヴでも間違えることがあるそうです。

 

historic と historical の違い

「historic」は出来事、もの、場所などが歴史の一部として重要であるとみなされている場合に使われます。

 

アンネ・フランクの家、クレオパトラの人生、初めて開発されたコンピューター。こういったものは「historic」であるということになります。

 

一方で、例えば「100年前に生きていたある無名の人のブローチ」は、それだけでは「historic」であるとは言えません。

 

「historical」はどんなものでも、過去に(=歴史の上で)起こったことであればすべてに使われる言葉です。

 

その歴史上の重要性にかかわらず使われます。

 

古くからある家であれば、アンネ・フランクの家であろうが近所のお婆さんの育った家であろうが、それは「historical」ということになります。

 

具体的な使い分け

この二つの言葉を正確に使い分ければ、過去について話すときにより的確な表現ができるようになるわけです。

 

たとえば「アメリカ独立宣言」(the Declaration of Independence)が歴史上の重要度が高い文章であることは議論の余地がありませんので、「historic text」(歴史的な文章)と言えます。

 

一方で、たとえば「1920年代の大恐慌時代に当時のある若者が書き残した日記」は、歴史上の重要性がどれほどあるか分かりません。

 

これはあくまで「historical text」、つまり(「歴史的である」とはいえないが)古くから存在する「歴史のある文章」である、ということになります。

 

区別をつけて覚える方法

この二語を区別するために、「historical」のほうが文字数が多い→より多くの出来事を表すという覚え方があります。

 

上記のように「歴史的な(historic)」なものごとは限られていますが、単に「古くて歴史のある(historical)」なものごとは事実上数限りなく存在します。

 

文字数の多い言葉のほうがその指し示すものも多い、ととらえておくと間違いなさそうです。