おもしろい英語表現

日本人には思いつきにくい英語の慣用表現を取り上げていきます。少しでも覚えて、使って、より生き生きとした英語の使い手になりましょう!

「steal」と「rob」を区別するのは意味ではなく目的語

 

 

 

私たちは「盗む」や「奪う」という意味の英単語として「steal」とか「rob」を習いますが、ではこの二つの単語の意味は具体的にどう違うのでしょうか。 「他人から許可なくものを取ってしまう」という意味では、両方とも同じです。

 

「rob」は場所や人などが目的語になります。 つまり取られた物ではなく、どこから取ったのか、誰から取ったのか、ということの方に注意が向けられる動詞です。

 

例えば:

The gang robbed three banks last month.

(そのギャングは先月3件の銀行強盗をはたらいた。)

Our local post office was robbed early in the morning.

(早朝地元の郵便局に強盗が入った。)

 

なお、目的語が「家」の場合はrobという単語は使われないことに気を付けましょう。家に泥棒が入るというときには「burgle」という動詞が使われます。

 

例:

Our house was burgled last night.

(昨晩わが家は泥棒に入られた。)

 

robが場所や人を目的語にする一方、「steal」は盗まれた物が目的語になります。

 

例:

The thieves stole three paintings from the museum.

(泥棒たちは博物館から3点の絵画を盗んだ。)

Our car was stolen from outside our house.

(家の外から自家用車が盗まれた。)

 

つまり「He robbed my wallet.」という表現は、文法的には誤りということになります。

 

私たちは「steal = 盗む」「rob = 奪う」という覚え方をすることがありますが、日本語訳の感覚で違いを感じ取るよりも、上記のように:

  • steal 物
  • rob 場所、人
  • burgle 家

という感じで、後にくる目的語によって違いをとらえておくのが間違いない覚え方だと思います。